軽井沢周辺でしか飲めない‟絶品”地ビール「クラフトザウルス」

 その土地には気候や風土に合った食べ物がある。新鮮な素材に加えて、微妙な匂いや湿度等、味覚以外の要素が作り手をその味へと導くのか。地のモノはそこで味わって完成する部分がある気がする。それはビールにも言えることで、沖縄ではオリオンビール、タイではシンハーというように、その場で飲むと実力を発揮する”地ビール”がある。軽井沢にもそんなビールが存在する。軽井沢に本社を置くビール製造メーカー、ヤッホーブルーイングが手掛ける「クラフトザウルス」だ。

軽井沢周辺エリアでしか手に入らない、クラフト地ビール「クラフトザウルス」

軽井沢で飲みたくなるビール

 もともとクラフトビールが好きで、中でもIPAのように苦みの強い味が好きで、東京ではコンビニ等でも扱っている「インドの青鬼」をよく手に取る。「インドの青鬼」も「クラフトザウルス」と製造元は同じヤッホーブルーイング。そういう点では、同社の作り出す味が自分好みともいえるのかもしれない。

 ただ、このクラフトザウルスの味を知ってからは、軽井沢ではこのシリーズ一択。軽井沢周辺エリアでしか飲めない、という希少性もあるが、苦みが強い「インドの青鬼」にはないものを味覚が感じ取ったようで、自然とこちらに手が伸びるようになった。逆に、不思議なことに軽井沢では「青鬼」は視野に入らなくなった。

クラフトザウルスの「Brut IPA」(画像左)と「Pale Ale」。この他に、最近は店頭で見かけないが、グリーンのマンモスが描かれた「Black IPA」も存在する

 自分のビールの飲み方は、例えるならコーヒーの飲み方に似ている。爽快なのどごしを楽しんだり、食事と合わせるというよりは、時間に関係なく、単体でビールそのものの味を味わう。そういう意味で、「青鬼」はいうなれば仕事の片手間に飲む、ストレスを流し込む強めのコーヒー。方や「クラフトザウルス」は味覚を澄ませて味わう薫り高いコーヒーという感じ。そう考えると軽井沢にいるときの自分は、ホップの味を楽しめる余裕があるくらいには脱力できているのかもしれない。

無骨なデザインに込められた思い

 それにしても、黒い缶に荒々しいマンモスの画。軽井沢発祥の軽井沢限定のビールでありながら、いわゆる「軽井沢」のイメージを微塵も感じさせない無骨なデザイン。実はこれ、ビールに込めた思いがデザインとなったものだという。

 『ときはビール氷河期。凍てつく暗闇の世界に突然変異で誕生した、その名もクラフトザウルス。時代の流れに迎合しない個性と常識にとらわれない多様性…』

 何やらすごいキャッチコピーだが、誕生したのは2017年。年々縮小する日本のビール市場を”ビール氷河期”に例え、そこに誕生した新しいビールを“クラフトザウルス” という架空の生物で表現したという。当時「どこにもないビール」を追求した作り手のこだわりが詰まった‟渾身の作”というわけだ(ただ「サウルス」というより「クラフトマンモス」では…とも思う)。

 こまかいことはさておき、ただ「軽井沢をイメージしたビール」でなはく、軽井沢を本拠地とするビールメーカーが美味しいと思うものを作ったらこうなった、という力作商品。なるほど、軽井沢で飲みたくなる理由に納得。

4~9月までの期間限定販売の「ブリュットIPA」。販売開始後まったく姿を見なかったが、ようやく昨年末にお目見え

 クラフトザウルスのラインナップは「Pale Ale」、「Brut(ブリュット) IPA」そして「Black IPA」の3種類。ただ、Brut IPAは2020年4月に誕生したばかりで、早々と姿を消してしまっていた上に、ブラックIPAも店頭から姿を消していたので、ラインナップをペールエールのみに縮小したのでは…と、ひそかにしょんぼりしていた。

 そんななか、この年末年始にスーパーに行ってみると、Brut IPAがようやく復活していた。自分のようなファンが多かったのか、ポップには「長らくお待たせしました」の文字があった。

辛口の中にIPAらしいホップアロマが広がる「Brut IPA」。見た目はホワイトビールのように明るい黄金色

 「Brut」はシャンパンで使用される「辛口」の意味。酵素によってビール中の糖度をゼロまで下げているそうで、同社いわく「辛口シャンパンのような口当たりが特徴」とのこと。たしかに説明にある通り、軽くスッキリとした印象ながら、IPAのホップアロマがしっかりと鼻に抜ける。一言でいえば、‟スッキリとして芳醇”なIPAだ。

裏に描かれた噴煙の上がる山は、浅間山?

 フラッグシップのペールエールも苦みとホップの香とモルトの甘味がバランス良く、定番の逸品で、この2つのラインナップを買うと、自宅にいながらにしてお店で飲むような‟味変”が楽しめる。ちなみにペールエールは1本267円(税抜)。Brut IPAは315円(同)このレベルの味がこの価格で飲めるのは嬉しい。 

定番の「ペールエール」

 依然行方不明の「Black IPA」は、美味しかったこと以外詳細を忘れてしまったが、同社の説明によると「ホップの個性を際立たせるために、麦の殻を取り除いた『Carafa Special』というロースト麦芽を使用し、あえて麦芽の香りを抑えています。見た目は黒ビールのようですが、一口飲めば鮮やかなホップの香りが鼻腔を満たし、後からほろ苦い味わいが感じられます」とのこと。早く自分の喉で思い出したいものだ。

 いつの日か、スーパーで全種類買えるようになることを願って……プシュッ=3

たくさんあると安心

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