軽井沢の森のカフェ「CabotCove」で時間の流れを変えるブランチ(※店舗移転)

 軽井沢で過ごす週末の休み、予定が何もない日は心ゆくまで朝寝坊したいときもある。まして目が醒めて晴れていた朝には、いつもと違う朝食を食べて、とことんゆったりとした気分に浸りたい。そんな一日の始まりに訪れたくなるカフェがある。ひっそりとした森の中に佇む「CabotCove」(キャボットコーヴ)。「朝食とカフェの店」を名乗るその店は朝の7時(冬季)からオープンし、正午過ぎには店じまい。朝の木漏れ日の中に一瞬だけ現れる、まるで童話に出てくる”何かある小屋”のようなカフェだ。(※2023年2月現在、同店は御代田町の「MMoP」内に移転したそうです)

森の中の朝食とカフェの店「キャボットコーヴ」

日常からちょっとだけ離れる朝ごはん

 軽井沢から車で15分ほど行った西軽井沢エリア。「御影用水」という、どこか外国の田園風景を思わせる散歩道から程近い森の中にキャボットコーヴがある。いわゆる軽井沢の観光エリアからは離れたひっそりとした場所だが、朝7時からオープンするその店には、わざわざ朝食を求めて多くの客が訪れる。

木漏れ日の中に佇む店舗

 筆者がこのキャボットコーヴを訪れたきっかけは「朝ごはんがなかった」こと。買い物をする余裕がないまま東京から深夜に軽井沢入りし、翌朝起きたときに食べ物が一切なく、朝早くから営業しているキャボットコーブの存在を思い出した。そんな理由だったが、訪れてみたところ「ただ朝食を食べに来た」だけではない、不思議な感覚を覚えた。

店内を静かに暖める暖炉

 朝食は日々欠かせないものだが、食べるのが当たり前すぎて忙しい朝の時間に紛れがち。意識せずに用意できるものを、と思うと毎日同じものを食べていたりもする。それゆえにいつもと違う朝食をとるということは、それだけで日常から解放されたような気持ちになるのかもしれない。

 寝坊した朝、ゆっくり1日を過ごしたいという気持ちの延長にキャボットコーヴのようなお店を思い出すのは、そういう心の余裕がもてるからなのだろう。キャボットコーヴには、そんな気持ちを満たしてくれるスローな時間が流れている。

看板メニューの「ポップオーバー」

 キャボットコーヴのメニューは「アメリカンブレックファースト」とのこと。パンケーキやワッフル、フレンチトースト、エッグベネディクト等なじみのあるメニューが並ぶが、その中で見慣れないメニューが一つある。「ポップオーバー」だ。

「ポップオーバー(画像左)とボウルスープ」のセットで1,350円(税込)。コーヒーは別料金

 ポップオーバーとは、アメリカニューイングランド地方で食べられるエッグバターで作られたぷくっと膨らんだパンのこと。焼いているときにバターがマフィン型から飛び出す(pop)ことが名称に由来しているそうで、中が空洞になっている軽い食感のパンだ。その日のスープ(この日はクラムチャウダー)がセットになっており、美味しさと珍しさも相まってキャボットコーヴの看板メニューとなっている。

ポップオーバーを千切った状態。外はサクッと、中はもちっとした食感がユニーク(オリジナルジャムとバター付)
イングリッシュマフインの上にポーチドエッグとハムをのせオランデーズソースをかけたエッグベネディクト(税込1,300円)

 この日の入店は11時前。空っぽの胃袋に温かいスープがじんわりと沁みて、身体がようやく目覚め始めた。のんびり起きて、朝でも昼でもない時間を美味しいブランチで作る。ちょっと背徳感がありつつ、自分だけの時間の流れで過ごす休日も、たまには気持ちがいいものだ。

CabotCove

所在地:北佐久郡軽井沢町追分78-26
営業時間:7:00~12:20(L.O.)※11~3月
定休日:毎週水・木曜日(祝日、及びゴールデンウィーク、お盆期間中は営業)
TEL:0267-31-5078
HP: https://cabotcove.jp/(移転情報も掲載されています)

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