“天空”の50mプールで高地トレーニング　「GMOアスリーツパーク湯の丸」

　軽井沢から約40km、浅間連峰の西側に位置する湯の丸高原。 長野県東御市と群馬県吾妻郡嬬恋村の県境にあたる標高1750m地点にその施設がある。「GMOアスリーツパーク湯の丸」。日本初、かつ国内唯一の高地トレーニング拠点としてオープンし、水泳競技やトライアスリートの日本代表チームの強化合宿の場としても利用されている施設だ。なんといっても魅力的なのは8レーンもある広々とした50mプール。基本的に合宿利用がメインだが、毎日13時～15時までの2時間は一般にも開放されている（※臨時休館あり）。軽井沢から少し遠いが、長めの距離を集中して泳ぎたいときや、ウェットスーツを着用して試泳したいときなどには最適な環境なのだ。

ナショナルチームの強化合宿にも

　軽井沢から浅間サンラインを走り、東御市から地蔵峠を上ること約1000m。「こんなところに50mプールがあるの？」と訝るくらい上った先に、古くからあるスキー場施設と並んで「ＧＭＯアスリーツパーク」という新しい施設がある。同施設がオープンしたのは2019年10月。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて完成した東御市肝入りの高地トレーニング施設で、プールの他に宿泊施設やトラック、アスリート食堂など設備も充実している。「ＧＭＯアスリーツパーク」という名称は、ネーミングライツ・パートナーのＧＭＯインターネット株式会社から名付けられたそう。

　基本的にトレーニング合宿を目的とした施設で、合宿利用者の「昼の休憩時間」が一般利用者に開放される時間帯となる。許された時間は2時間。たった2時間？と感じるかもしれないが、酸素濃度が薄い高地に体が慣れていないと2時間も泳げばもうおなかいっぱいになる。

　利用料は1000円。公営の25mプールと比べると少し割高に感じるかもしれないが、なんたって何度も往復しなくても良い50mプール。オープン後間もなく新型コロナウイルスで利用が制限されていたこともあって、設備もほぼ新品同様にきれい。しかもまだあまり一般利用が知られていないためか、土日でも1人で1レーンを使えるくらい利用者が少ないのでぶつからないよう気を使って泳ぐ必要もない。そういった諸々のことを考えると、個人的には「1000円の価値あり」と感じている。

　プールは50mが8レーンある。水深は2ｍ。この日の水温は28℃。いつも行っている公営の25mプールと比べると2～3℃ほど低く、入水時は少し冷たさも感じるが、泳ぎ始めればちょうど良い。ウェットスーツで泳ぐ練習にも暑くなり過ぎない温度だ（過去に31℃のプールでウェットスーツを着用して脱水症になった経験があります）。

　水の透明度はいつも高く、水中で水槽の隅々まで見渡せるほど視界良好で気持ちが良い。水深もあるので飛び込みの練習も可。公営プールでは着用が禁止されていたり、リストバンドなどで覆うように求められる腕時計タイプのウェアラブルデバイスが、そのままの状態で着用が認められているのも嬉しい。さすが、トレーニング施設。

　ただ、一般開放時間はランチタイムを挟んでしまうため、泳いでいる間に空腹にならないように注意しよう。食べ過ぎず、それでいて腹持ちが良い「補給食」におすすめなのが地蔵峠に入る手前、浅間サンラインの道沿いにある道の駅「雷電くるみの里」の名物「くるみおはぎ」（1個150円）。地元東御市の特産品であるくるみをたっぷりまぶしたおはぎで、2つほど食べればとしっかりとした満腹感が得られる。それでいて消化にも良いので、プールで泳ぎ始める頃にはおなかもこなれてちょうど良い感じになっている。

　とはいえ、これだけだと2時間泳げばやはりおなかは空いてくるもの。ということで、次回は泳いだあとのごほうびランチを紹介します。